19歳で倒産に追い込まれた忙しい女子大生のおしながき

最近夜職を卒業しました。(借金返済しました。)

1000円値上がりしても私はユニクロを買う

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                    photo by http://www.fastretailing.com/jp/

 

 

 「UNIQLO」の名前を知らない日本人はきっといないと思います。みんな人生で1着ぐらいはお世話になったことがあると思います。

 先週、アパレル関係の会社を経営している人とご飯に行きました。その社長さんは、特別自分のブランドを持っているわけではなくて、ブランドのショップバッグや印刷物、ノベルティーや細かいグッズを製作する会社をやっているから、アパレル事情には詳しくて、「あのブランドは品質が悪い」とか「あのブランドは値段相応だ」とか、プロ目線で色々教えてくれました。その中でユニクロの話になって、社長さんは「あの品質であの価格は考えられない。ユニクロは相当頑張っている。」って言っていました。

 確かに昔からユニクロは「高品質・低価格」をうたっているけど、近年は結構値上がりして、低価格とは言えないんじゃないかなっていう状況ですよね。そう思ってユニクロのことを調べたら、いろんな企業努力が見えたので、それをまとめてみました。

 

 

ありえない原価率

 原価率とは売価に占める原価の割合だから、「原価÷売価」の計算で求められます。また、「原価率+利益率=100%」なので、原価率が低ければ低いほど、利益は大きくなるということです。

 最初に言っておくと、ユニクロの原価率は、アイテム毎でまちまちですが、平均すると38%です。この数字を見て、どう思いますか。正直なところ、私が初めてこの数字を聞いた時は、「原価ってこんな安いんだ」って思いました。でも、他のブランドや競合の海外ファストファッションブランドと比較してみると、どれだけユニクロがすごいかわかりました。

 ここで、世の中には多くのブランド・ショップが存在していますが、アパレルの原価率ってどのくらいか想像できますか。

 百貨店向けのアパレルブランドなどは平均20〜25%の原価率だそうです。セレクトショップなども大体同じくらいで、特に自主企画商品などでは、原価率20%を割る商品もあるそうです。しかもこの原価率は、家賃などの高騰や客足が伸び悩むなどの影響で、多くのブランドで年々下がっているそうです。代表的なファストファッションブランドのH&Mでさえも、約28%程度らしいです。つまり、百貨店向けブランドやセレクトショップでは、2000円程度の商品を10000円で売っているってことです。なんだかばかばかしいですよね。

 これを知った上で、ユニクロの「原価率平均38%」を聞くと、すごくないですか?ありえない数字ですよね。商品によっては、原価率50%を超えるものもあるそうです。つまり、ユニクロでありがちな価格の3990円という商品は、1500円ほどかけて作られているってことです。普通のアパレルより高品質なものを低価格売っていることがわかります。

 

 

なぜ高品質低価格を実現できているか

 それは、第1に、ユニクロのビジネスモデルに秘密があります。ユニクロは企画・デザイン・素材調達・生産工場の品質管理・販売までの全プロセスを一貫して行うSPA(アパレル製造小売業)のビジネスモデルを実現させています。

 今売上を上げている海外ファストファッションブランドの多くは、このSPAを導入しています。このSPAのメリット・デメリットは何なのか。

 

メリット

  • 自社店舗でのみの販売となるので、ブランドイメージを確立しやすい
  • 自社の顧客のニーズを素早く把握し、すぐに商品に反映できる
  • 顧客層別・店舗別・アイテム別など売上の分析ができる

 

デメリット

  • 需要のない製品を作ってしまった時の在庫を抱えるリスクが大きい
  • 自社で全てのプロセスを担うため、設備費・人件費など巨額のお金がかかる

 

 そして、第2に、世界中から素材を調達していることが理由としてあげられます。世界中の素材メーカーと直接交渉を重ね、高品質な素材を大量に仕入れているそうです。例えば、ユニクロのコットンのTシャツは、世界中の綿花から3%しか採取できないと言われている超長綿を使用しているそうです。これもそう言った交渉に交渉を重ねる企業努力があってこそ実現していると思います。

 そして第3に、自社工場への徹底した技術指導です。どんなに低価格で良い素材を入手しても、加工の段階で品質を落とすような雑な加工をしてしまうと、「高品質」が実現できません。そこで、ユニクロは日本の繊維産業で豊富な経験を持つ「匠」と呼ばれる技術者グループを工場に派遣し、技術指導を行っています。これにより、大量に、かつ均一な品質の商品の生産を実現させています。

 

 

コラボレーションがすごい

 ユニクロといえば多様なコラボレーションのイメージもありますよね。例えばキャラクター。UTでおなじみですね。ディズニーキャラクターを始め、キティちゃん、ドラえもん、ワンピース、など多くの有名キャラクターとのコラボTシャツを販売しています。また、スターウォーズをはじめとした「映画」や、海外の有名アーティストともコラボしています。そしてコラボしたTシャツの多くは、半袖だと1000円以下で購入できるところがすごいです。

また、UT以外でも様々な有名ブランドとコラボしています。去年のコラボで評判だったみたいなのが、「ユニクロアンドルメール」です。ラコステやエルメスのディレクターを務めたルメールの手がけた商品が、安いものだと2990円という安さで購入できます!これはすごいことですよね。

 

 

返品でわかる懐の深さ

 ユニクロは店頭で購入した商品で、レシート(クレジット購入の場合は控え)を持っていれば3ヶ月以内ならどんな商品でも返品交換してくれます。

  • タグを取ってしまったもの
  • 洗濯してしまったもの
  • ボタンが取れたもの
  • 複数回着用したもの
  • 色落ちしたもの
  • ファスナーが壊れたもの
  • 裾上げしたもの
  • 破れてしまったもの
  • 着用済みの下着類

 

 全て交換の対象商品です。ただし、店頭購入の場合とWEB購入の場合で交換の条件が異なるので、実際に返品・交換しようと思っている方は、まずは店頭にいる店員さんやカスタマーセンターに問い合わせてみてください。

 

 

海外でも需要のある製品を作っている

 日本人は海外、特に欧米でで流行ったものとかだととりあえず「おしゃれ」って感じたり、「とりあえず買おう」って感じで買っちゃったりしますよね。今みんながやっている「ポケモンGO」なんかも、もしかしたら最初にアメリカで流行したから日本でも流行しただけで、日本で最初に解禁されたゲームだったら、あそこまでのブームにはならなかったかもしれません。その点、ユニクロは日本発祥のブランドで、海外でも広く受け入れられています。

 海外の店舗数は年々増え続け、現在は928店舗まで伸びているそうです。これは国内の店舗数、807店舗を上回っています。この数字から、海外でもユニクロの「高品質で低価格のベーシックな商品」というブランドコンセプトが確立されていて、需要があるということがわかります。世界で認められているということです。

 

 

まとめ

 いろいろ熱く書いてきましたが、私は決してユニクロの回し者ではありません。ただただ、あそこまでアパレル会社の社長がユニクロを評価する理由がわからなくて今回いろいろ調べましたが、本当に努力し続けている企業だなと思いました。

 正直言うと、最近のユニクロは以前より単価が高く、またベーシックな商品だと周りと被りやすいっていう欠点があるので、購入するのはヒートテックやエアリズムなど肌着ばかりでした。でも、ユニクロを調べれば調べるほど、やはり「あの価格でこれだけの商品を作れるのはすごい。相当企業が頑張っている」と感じました。

 仮に3990円の製品が1000円値上がりして4990円になったとしても、原価が1500円程度ってことは原価率がそれでも30%を超えてきます。他のファストファッションブランドで、平均原価率が30%を超えるブランドがいくつあるでしょうか。もしかしたら存在していないかもしれません。ユニクロの企業努力を評価する意味で、私は1000円値上がりしてもユニクロを買います。読んでいただきありがとうございました!